母性本能遺伝子
切迫早産しそうで、家で絶対安静状態にしていたママが入院することになって、2週間が経った。
10歳と8歳の孫は笑顔で過ごしているから、さすがお兄ちゃん、お姉ちゃんになったと感心していたら、「悲しい時はお風呂の中に潜って泣いた」
学校から帰ってみると、いる筈のママが入院してしまっていた日のことらしい。
毎日、僅かな時間でも病院に連れて行き、ひとしきり、その日学校であったこと等を話している。
そして、母親の笑顔を見て安心するのだろう。
私の人生の転機となったのも「母ちゃん読んで」という母と子の絆をテーマにした人形だ。
昭和の人形以前に作った旧作にも、母子像はいろいろあるが、普遍的な愛、哀しみ、全てを内包して、四辺に慈愛を注ぐ母性を、母子像に託して象徴的に表現してみたいと試みたシリーズの一部。
ダーウィンの進化論では、生物が、自然淘汰と突然変異によって「優勝劣敗で進化」説に対して、現在のDNAレベルから進化を捉えた新設では、「共生的進化論」互いに助け合いながら進化してきたのだという。
太古から、DNAにある母性本能の遺伝子が、利他的遺伝子の起源ではないかと。
人は本来、助け合う生物として進化し、集団生活の中で高度な社会性をつくってきたのでそうだ。
現在の社会情勢を考えたとき、日本で、海外でも、そして地球規模でどうだろう・・・・・。
あまりにも多大な犠牲者が出た東日本大震災直後には、みんなが振り返って考えた筈。
のど元過ぎれば、また、利己的遺伝子が活発化・・・。
せめて、身近な所からでも、自分のちょっとした行いで、誰かが喜んでくださった。
それが嬉しくて、もっとしてあげようと思う。そんな喜びの連鎖―――。
支え合い、助け合う社会になって、絆が繋がり、喜びの連鎖がもっと広がっていけば・・・・・・。