認知症で93歳の母が・・・
認知症で施設に入っている 93才の母を妹が米子市美術館に連れてきてくれました。
介護タクシーを利用して車椅子で来館、久しぶりに三姉妹が揃い、姪も一緒に。
母は、言葉はもう一言も出せず、目もうつろだけど、
顔を覗き上げるようにして、
「お母さん!朱美だよ」。
「ほら、私が作った人形だよ、見たことがあるでしょ」と言うと、
一瞬「ウゥー」と言って、私の顔を見て、少し微笑んだように見えた。
人形も少しは見てくれたように、見えたけど長続きしなかった。
疲れたんだろう、目を閉じてしまった。
優しい母で、人の噂話や陰口を言うことは無かった。
一生懸命働きながら、嫁姑の苦労もしてきた人生だった。
私たち三姉妹の服も、夜なべ仕事に作ってくれた。
それなのに今の私は、忙しさにかまけて、なかなか母の所に行ってやれない。
妹が本当によく面倒をみてくれて感謝している。
60年前に母が作ってくれた、壁掛けが私の仕事部屋に掛かっている。
亡くなった父の帽子と一緒に・・・。
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