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人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

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人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
           安部朱美

古代出雲歴史博物館・企画展に行ってきました

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古代出雲歴史博物館で企画展「大地に生きる~しまねの災と幸」が開かれています。
その中で、絣を織る親子の人形「女性三代機の音」も展示中です。

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企画展の看板

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重要文化財 宇豆柱

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平安時代の出雲大社本殿(模型)

縄文時代以降、島根県内で発生した地震や津波などの厳しい自然災害を振り返り、
その時代に生きた人々の営みや復興の記録、江戸時代の出雲国では鉄と木綿に代表される
様々な特産品が産み出され、豊かな経済と文化も花開いた。
重要文化財や県指定文化財を含む多彩な展示品とともに紹介しています。

今日行ってきて、これを企画された専門学芸員の倉恒さんに
詳しい説明をお聴きしながら会場を廻りました。
企画から展示開催まで3年かかったということで、そのご苦労の程もしのばれ、
一つの企画展を実行、成功させることの大変さを改めて思い知りました。

「過去にも多くの災害を経験し、乗り越えてきた歴史がある。
今、コロナや災害など大変な状況だけど展示を通じて、
希望を一つでも感じていただければ…」と倉恒さんの話です。

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古代出雲歴史博物館に「女性三代機の音」展示

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出雲大社の隣 古代出雲歴史博物館に「女性三代機の音」を展示に行って来ました。
7月10日(金)から9月6日(日)まで、企画展「大地に生きる~しまねの災と幸」
が開催されます。

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島根の長い歴史の中で、三瓶山の噴火から始まり、地震、津波、水害等の災害、
開発、信仰、綿作をキーワードに、厳しさと優しさの両面を持つ自然に、
島根の大地に生きる人々がどのように向き合ってきたか、
その実像に迫る企画展で、
第4章ー木綿繁盛記のコーナーに「女性三代機の音」の人形をお貸しすることになりました。

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山陰では上質のたたら製鉄ができて、その鉄穴流しによって大量の砂が流れ込み、
下流にできた水はけ良く、日当たりのよい砂地に江戸時代から綿が栽培され、
木綿が特産品となり、越後屋(三井)との商売が始まり繁盛した。
「女性三代機の音」を制作した時に、鉄穴流しによって弓浜半島に上質の綿作りが
盛んだったことは知っていたけど、
出雲だけでは綿が足りなくて、弓浜からも多く買い付けたそうだ。

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人形を創ることによって、それまで全く興味もなく無知だった分野のことが少しでも分かり、
関心が持てるようになったことは嬉しいことで、
何よりも、こういう形で人形がお役にたてば、本望です。

感動した ≪靴磨きの少年≫

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≪靴磨きの少年≫が、やっと完成しました。

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以前、昭和館に行ったとき、ジョージ・アリヨシのエピソードを局長さんからお聞きして、
創ってみたいと思っていた「靴磨きの少年」を、この度、正式にご依頼いただき取り組んでいました。
両親が日本人で日系アメリカ人として、アメリカ史上初のハワイ州知事となり、
最長の12年間の任期を務めた ジョージ・アリヨシ氏

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アメリカ陸軍に入隊し第二次世界大戦後、占領軍の一員として日本でGHQの通訳をしていた時に出会った少年、
戦災孤児で僅かな生活の糧を得るため、靴磨きをしている7歳の少年の態度に感動、
日本精神の原点を教えられたというエピソードです。

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「今は廃墟のような状態でも、日本人が皆、このような気概と心情で生きていけば
この国は必ず逞しく立ち直るに違いない。」
と確信したとおり、その後の日本は過去に類のないほど
奇跡的な復興を遂げ、世界屈指の経済大国に成長した。
日本に来るたびにメディアを通して、その少年の消息を探したけど見つけることは出来なかったそうです。

昭和館から届いた多くの資料を見ながらイメージを起こして創ったんですが、
顔の表情、ポーズ、服装、帽子等、今もこれで良かったんだろうか? と迷っています。

昭和館の 巡回特別企画展「戦中・戦後のくらし 鳥取展」
令和2年10月24日4(土)から11月3日(火)まで(ただし10月26日は休館日) 鳥取博物館で開催予定です。