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人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

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人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
           安部朱美

大国主命の蘇生神話

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出雲大社にお参りしてきました。
普通は入れない瑞垣内を案内していただけるということで、

境内は、荒垣、瑞垣、玉垣と三つの垣根で囲まれていて、
国宝の御本殿は瑞垣内の玉垣の中にあり、皇室の方しか入れないということでした。

当日は35度を超す暑い日、男性はスーツにネクタイ、女性はスーツでと・・・。

まず社務所で、宮司の千家さんのお話の中で、意地悪な兄神たちが猪と偽って
山上より転がした焼け岩を抱き止め、命を落とした大國主命を治癒し蘇らせた
キサガイ姫、ウムガイ姫のこと。
そして、60年ぶりに行われた平成の大遷宮で葺き替えられたキムガイ姫と
ウムガイ姫が祀られた社屋根の檜皮を炭にして、島根大学医学部付属病院に寄贈され、
炭は防カビ、防臭、調湿剤になるので3130袋が新病棟病室天井裏に敷き詰められたそうです。

大国主命は皮をむかれて赤裸になった白兎を助けて「医薬の神」
キサガイ姫とウムガイ姫は「治療の看護の神」ということで・・・。

私の故郷南部町には、大国主命が大やけどを負って命を落とし、蘇生したという
神話伝説がある「赤猪岩神社」と「清水井」があり、
その神話を人形にというお話が合った数日後のことでした。

また、又、これもご縁でしょうか?・・・。

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(出雲大社本殿 2016年秋撮影)

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青空教室が完成

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ようやく「青空教室」が完成しました。
昭和館からのご依頼で創り始めたのですが、

空襲で校舎も焼けてしまい集団疎開していた学童が、着のみ着のまま疎開地から帰り、
終戦から3ヶ月後、外で授業を受けている場面です。

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<有識者会議での仮設置>

雨が降るとお休み、風の強い日は物かげをさがして勉強したそうです。
教科書の戦争にかかわる文は、全て墨で塗りつぶしてあります。

疎開地での苦労、山へ枯れ木を拾いに行ったり、
慣れない畠仕事の手伝いなど食べる物も少なく、
父母恋しさにふとんの中で泣く子も多かったそうです。

昭和20年11月に写された朝日新聞提供の「青空教室」
(品川区の立会国民学校)に写ってる方のお一人が現存でいらして、
多くの写真や資料を昭和館に提供されたということで、
それを見ながら当時に思いを馳せ、イメージを膨らませながら創作したのですが・・・

机や椅子、黒板等の小道具は「昭和の家族」でもお世話になった
文京区の伊藤さんに作っていただき感謝です。

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<有識者会議での仮設置>

終盤は、また、ほぼ徹夜状態になってしまったけど、
28日にあった厚労省の有識者会議では大変好評だったと聞いてホッとしました。

背景等を整えられ、7月中頃から公開される予定です。