人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

Message

人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
          ―― 安部朱美

夏バージョンに常設展示を模様替え

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季節はうつろい、気がつくと周りの水田には水が張られ早苗が植えられて、又、
今年もいつの間にか一面が水鏡と化す時季になりました。

先日、常設展示の模様替えに行って来ました。
夏バージョンで、縁側でスイカを食べている家族「或る夏の日」、
「アイスキャンディ屋」「地蔵祭り」等や、ジオラマの一部、学校を背景に置き、
下校中の女の子、とっくみあいのケンカや長馬飛び、まりつき、チャンバラ等
こどもを中心にした展示にしてみました。

企画展示は、毎年恒例の「あじさい展」、
昨年もNHKの「美の壺」でも取り上げられ人気があるそうです。

会場に置いてある感想ノートを拝見・・・。

いつものことですが、読ませていただいて私こそ感激・・・。
そして、次の作品を創る原動力となっています。

“持ち帰ったノートから”

ふと立ち寄った者です。20代なのでこうした時代を経験したことはありませんが、人と人、
家族の絆を作品から感じ、こうした時代がうらやましくなりました。
家族を大事にしようと改めて思いました。ありがとうございます。

高校2年生です。今、先生の作品を拝見し、昭和の生活の良さを感じています。
デジタル化などが急速に進む現在の日本に、
このような作品を鑑賞するひとときを味わえる場所があるのは、とても良いと思います。
これから、私たち世代は、この古き良き昭和感を大切にしたいと思います。

円覚寺の朝6時の坐禅が本日はなく、ポスターを通りすがりに見つけて
時間をつぶしてまで戻り、見にきたかいがありました。
どの人形の表情もいきいきと豊かで素敵でした。作り手の温かいまなざしと愛を感じました。
そして、希望と絆と和みの心をいただきました。
自分勝手になり、人を思いやる事ができず、前を向くことができずに坐禅に来たのですが、
人を思いやる気持ちと笑顔をいただけました。ありがとうございました。

たくさんのメッセージをありがとうございました。

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大きな糸車のおばあさんの写真がきっかけで創り始めた「機織り ~ 女三世代物語」
多くの方にお世話になり、ご縁ができました。

そして、図書館でも関連した多くの本を取り寄せて下さった。
その中には、民俗学者の宮本常一さんの本もあった。

今まで昭和の人形を創るに当たって土門拳さん、井上孝治さん、
熊谷元一さんの写真集に加えて宮本常一さんの本も参考にしてきました。

改めて、宮本常一さんの「旅に学ぶ」に向き合い、

  ―発見は人を興奮させ魅了する―

本当にそうだと思う。

自分が見たいと思っていたもの以外の、未知の分野を知ることができて・・・。

絣は勿論、それ以前の樹皮や草皮で織られた上布、太布、
当時の女性たちは、それが出来るまでの想像もつかないような根気のいる手数、
裏に秘められた苦労を、どんな思いでこなしてきたんでしょう・・・。


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フィリピン大統領に日本人戦犯108名、特赦を決意させた人・・・加納莞蕾

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まだ活発な余震が続いている熊本で、東日本大震災の折にも注目されたように、
被災した小学生から高校生のこどもたちが自主的にボランティア隊を結成し、

活躍している姿に、周りの大人は元気をもらっているというニュース・・・
この子どもたちの中から今後の復興に貢献する人も出てくるでしょう。

早く余震が治まり、前に進めるように手を合わせる思いでいっぱいです。

今、制作中の糸紡ぎのおばあさんから、機織りの母親 女性三代物語(?)
(4~5体)は、7月8日~9月4日名古屋テレピアホール「神の手・ニッポン展」
に展示しようと励んでいます。

同時に 7月16日~9月26日島根県安来市加納美術館 開館20年特別展としてお声がかかり、
先日行って来ました。

飯梨川沿いの山あいにある美術館で、素晴らしい備前焼のコレクションで知名度があり、
画家 加納莞蕾の画業を顕彰するために ご長男が設立された美術館だと聞いていました。

そして、加納莞蕾は戦後フィリピンのキリノ大統領に日本人戦犯赦免の嘆願書を何通も送り、
1953年(昭和28年)大統領声明でフィリピンに服役中の死刑囚59名、終身刑49名、
計108名に特赦が与えられたということも、何かに記事を見て知ってはいたけど・・・。

館に展示してある資料や館長から説明をお聞きし、改めて深く感動!

帰り際に、莞蕾の三女で名誉館長の加納佳世子氏から頂戴した著書
「画家として・平和を希う人として」

妻と3人の子を日本兵に惨殺されたキリノ大統領の赦免の真意は、
憎しみの連鎖を断ち切るーー憎悪を愛に変えることこそ世界平和の根源、

「赦し難きを赦す」という奇跡のみが恒久の平和をもたらす・・・。

これこそ、莞蕾自身の願いであり、信念・行動が大統領の心を動かしたのです。

そのため、ご家族のご苦労は並大抵のものではなかった筈・・・。

山深い所にある美術館ですが、この莞蕾の思想・哲学は、
今こそ、これからの世代のため必要とされるものです。

「未来に続く 平和を願う 次世代を担うこどもを育んでいくことが我々の使命」
と莞蕾は言っています。

こんな人がいたということを、全国の人に世界の人に、是非、知ってほしいと思います。

これも不思議なご縁の一つでしょうか。

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