糸車のおばあさんから…
数年前から気になっていた一枚の写真・・・大きな糸車を使っているおばあさん。
いよいよ、このおばあさんを形にしたいと思い立ち、資料探しをしていくうちに、
又また 多くの方にお世話になり、ご縁ができました。
それぞれの立場で親切に探して下さったり、関連する方をご紹介頂いたり、
丁寧に実演して下さったりと・・・。
ご多忙のなか、皆さんに心から感謝です。
このおばあさんが使っている糸車はこの地方(鳥取県)の物ではなくて、
木綿以前の繊維、アサ、コウゾ、フジ、カラムシ、クズ等の茎皮をとって細かく裂き、
つないだ糸に撚りをかけている所ではないかということが分かりました。(織った布地は太布)
この植物繊維を細かく裂いて糸をつなぐ作業は、非常に根気を要する仕事で、
夜なべに女性たちが集まって、おしゃべりしながら行ったことも多かったそうです。
こうして、一つの作品を創ることで、今まで知らなかった、関心も無かった事柄の一端を覗き、
先人のたゆまぬ努力、裏に秘められた苦労の積み重ねの延長線上に、
今の生活があることを改めて想う・・・。
その親の姿を見ながら育った当時の子どもたち・・・それに比べ、豊かで便利になったのに、
現代の混沌とした社会情勢を考える・・・そこに昭和の人形を創る意義があるのかな・・・。
■7月8日~9月4日 名古屋で「神の手・ニッポン展」
会場・テレピアホール
SPECIAL-GUEST として出展することになりました。
この糸車のおばあさんと浜絣を機織りしているお母さんと女の子も仕上げて、
展示するつもりです。