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人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

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人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
           安部朱美

坂内義雄氏胸像の御祈祷式

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11月26日、「いい風呂の日」でもあり、皆生温泉 中興の祖といわれる 坂内義雄氏の命日
皆生温泉観光(株)OUランド 坂内義雄氏 胸像の前で御祈祷式があり、参列しました。

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( 御祈祷式 )

今の社長 坂内和孝氏のご祖父で
昭和初期、皆生海岸の浸食が進み暴風雨のたびに波浪浸食があり、
源泉や温泉設備が流出し、皆生温泉の湯元としての会社経営が行き詰まった時、
窮地にあった皆生温泉から要請を受け、私財を投じて温泉の灯を守られた方です。

京都に在住で 日本証券、京都新聞など数々の企業の社長、会長などの要職に就かれ 
多方面に顔が広く、温厚で寛容な人格者だったそうです。

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( 坂内義雄氏胸像  )

皆生温泉観光(株)100周年に、ご依頼を受け3年前に製作しました。
湿度がある場所で、青さびの出方を心配していましたが、
まず、この程度ならいいかな・・・。

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新作「兄ちゃんが守ってやる」

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大地震や温暖化による気候変動、異常気象で自然環境が破壊され
かってない甚大な災害が、地球規模で起きています。
そして、ウクライナでの戦争は終りが見えず、イスラエルとパレスチナでも戦争激化、
世界各国で紛争、クーデターが起き難民は増え続けています。

生命、平和の尊さをテーマに表現したいと思い取り組んだ
「兄ちゃんが守ってやる」

終戦直後に原爆が落とされた長崎で、死んだ弟を背負い、歯を食いしばりながら
焼場で順番を待っている、少年の写真が発想のヒントとなりました。

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製作中に加納美術館で開催された「四國五郎展」
広島県出身の画家・詩人で先の大戦で満州に出征、
終戦後ソ連の捕虜となりシベリアに抑留された。
帰国した四國を待っていたのは、変わり果てた広島の姿と弟の原爆死だった。

戦後一貫して平和のために、絵や詩を作り続けた四國さんの絵を鑑賞しているうちに、
製作中の「兄ちゃんが守ってやる」と世界観がリンクして、
何とも言えない気持ちになりました。

先進国、新興国、発展途上国、
誰も置き去りにすることのない世界にならないものか。
この地球は、私たちの運命共同体なのです。

彼岸花に想う

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今年、9月29日 自宅から撮った大山と 満月と重なった仲秋の名月。

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次回、満月と重なるのは 7年後の2030年らしいです。
今年の彼岸花は、酷い猛暑のせいで開花が遅れ、
あちこちの草むらに赤い群生を見るようになったのは 彼岸の中日を過ぎた頃
そして10月に入ると、少しずつ色褪せていつの間にか消えていきました。
なんと 儚い花期なのでしょう。

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埼玉県日高市で人形展をした時に見た 巾着田の雑木林に群生する彼岸花は 美しく忘れられません。
この時期になると思い出す!

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10月29日(日) 
境港市文化ホール(シンフォニーガーデン)で「和の玉手箱」に人形を賛助出展します。
新作、「慈 愛」「兄ちゃんが守ってやる」も出す予定です。

宮崎日向市からお客さん

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先日、宮崎県日向市から来られたお二人、
2012年以来、4回目のご来訪です。
NPO法人「絆の黄色いハンカチ」~山田洋次映画監督のご賛同を得て、
東日本大震災の復興支援で東北各地でボランティア活動され、
現在も交流を続けられている 則貞さんと三堀さん。

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最初の出会いは、山形県米沢市の上杉博物館で 人形展「昭和の家族~絆」の
サイン会場で「サインをしてください」と出された
「絆」と書かれた黄色いTシャツに何気なくサインをしたことからだった。

その後、京都清水寺の森清範貫主が揮毫された「絆」、名球会の王貞治氏、
タレントの萩本欣一氏の応援メッセージと一緒に私の人形の写真が
復興支援活動に一役かったということがありました。

2015年には、日向市で「森清範貫主 文化講演会」があり、
私共夫婦も一緒に招待いただいた。
日本最古の巡礼所、西国三十三所草創1300年を記念して、
信州善光寺や比叡山延暦寺も含めご縁のできたお寺に
6年位前から「西国三十三所御詠歌版画」等を奉納してまわられたそうです。

この後、奈良 春日大社に参詣、奉納される予定で その途中我家に立ち寄られた
数あるご縁が繋がってきた そのひとつです。

フィリピンへ友好の旅

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フィリピンの刑務所に収容されていた 105名の日本人戦犯赦免70周年の記念式典に
マニラにある日本大使館から招待状が届き、7月11日~15日、フィリピンに行ってきました。
安来市出身の画家 加納莞蕾は「赦し難きを赦す」の平和への願いを込め、
キリノ大統領に大量の書簡を送って恩赦実現に大きな貢献をした。

キリノ大統領は、日本兵に妻子4人の命を奪われたにもかかわらず特赦を出し戦犯を釈放した。
以前、加納美術館で私の人形展を2回開催して頂いたご縁で、
キリノ大統領の殺された妻子4人が天使になった像「平和への祈りーアリシアと3人の愛児たち」
モンテンルパ博物館に平和と友好のシンボルとして常設されている。

ということで招待状が届き、
莞蕾の四女で加納美術館名誉館長の加世子さんご夫妻に私共夫婦が同行することに。


12日、キリノ財団代表で弁護士のアレリさん宅でランチにご招待いただいた。
越川駐比日本国大使もご出席。

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( アレリさん宅でランチ )

13日、キリノ大統領が埋葬されている英雄墓地で比国軍儀仗兵の指揮の下、
雨の中、花輪贈呈の儀式が執り行われた。
晴ならレッドカーペット上を歩く筈でした・・・。
大使ご夫妻、国際協力機構比事務所長、マニラ日本人会会長(比住友商事社長)、
比日本商工会議所(丸紅比社長)など比日本人社会代表者20組が献花、
現在の友好関係の礎となった70年前の「奇跡の赦し」に敬意と感謝の誠を捧げた。

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( 献 花 )

記念式典は、比日本大使館、モンテンルパ市、キリノ財団が共同で開催、
日本人戦犯が収監されていた刑務所のあるモンテンルパ市のモンテンルパ博物館であった。

キリノ財団代表アレリ弁護士(キリノ元大統領のめい)は特赦を与えたキリノ大統領の談話を紹介、
そして、この赦しの決断はキリノ大統領が世界平和の基であると信じる
博愛の情を世界の人々に呼び起こすよう祈りを込めたものだったと説明。

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( 記念式典 【アレリさん】 )

莞蕾の娘、加世子さんも映像を映しながら30分の講演、
キリノ大統領に送った手紙の中「平和は『目には目を』では達成しえず
『赦し難きを赦す』という奇跡を持ってのみ、人類は恒久の平和を手にする」とつづり、
永久の平和に導く方法としての恩赦を訴えた・・・。

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( 記念式典 【加世子さん】 )

越川大使は「比国民の多くが強い反日感情を抱いていた時期に、自身の家族も命を奪われたキリノ大統領が、
恩赦の決断に至るまでの葛藤は言葉では言い表せない、厳しい批判にもかかわらず、
恨みと報復より平和と赦しの道を選んだ傑出した人物」とたたえ
「この歴史的な恩赦は比日国交正常化に向かう大きな契機となった」と深い感謝の念を表した。
( マニラ新聞より一部抜粋 )

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( 記念式典 【越川大使】 )

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その後、大使公邸へご招待いただいた。
ひどい渋滞の中、パトカーに先導されながら大使公用車の後をついて行った。

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( 大使公邸 )

14日、日本人学校で加世子さん講演。小学6年生と中学生
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( 日本人学校 )

滞在中、マニラ新聞のサワダさんが車を手配、通訳、案内してくださった。
朝日新聞東京本社の記者、地元テレビ局の元カメラマンの方も、チームとして一緒に行動しました。