FC2ブログ

人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

Message

人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
          ―― 安部朱美

古代出雲歴史博物館・企画展に行ってきました

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

古代出雲歴史博物館で企画展「大地に生きる~しまねの災と幸」が開かれています。
その中で、絣を織る親子の人形「女性三代機の音」も展示中です。

20200724_1.jpg
企画展の看板

20200724_2.jpg
重要文化財 宇豆柱

20200724_3.jpg
平安時代の出雲大社本殿(模型)

縄文時代以降、島根県内で発生した地震や津波などの厳しい自然災害を振り返り、
その時代に生きた人々の営みや復興の記録、江戸時代の出雲国では鉄と木綿に代表される
様々な特産品が産み出され、豊かな経済と文化も花開いた。
重要文化財や県指定文化財を含む多彩な展示品とともに紹介しています。

今日行ってきて、これを企画された専門学芸員の倉恒さんに
詳しい説明をお聴きしながら会場を廻りました。
企画から展示開催まで3年かかったということで、そのご苦労の程もしのばれ、
一つの企画展を実行、成功させることの大変さを改めて思い知りました。

「過去にも多くの災害を経験し、乗り越えてきた歴史がある。
今、コロナや災害など大変な状況だけど展示を通じて、
希望を一つでも感じていただければ…」と倉恒さんの話です。

スポンサーサイト



感動した ≪靴磨きの少年≫

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

≪靴磨きの少年≫が、やっと完成しました。

20200703_1.jpg

以前、昭和館に行ったとき、ジョージ・アリヨシのエピソードを局長さんからお聞きして、
創ってみたいと思っていた「靴磨きの少年」を、この度、正式にご依頼いただき取り組んでいました。
両親が日本人で日系アメリカ人として、アメリカ史上初のハワイ州知事となり、
最長の12年間の任期を務めた ジョージ・アリヨシ氏

20200703_2.jpg

アメリカ陸軍に入隊し第二次世界大戦後、占領軍の一員として日本でGHQの通訳をしていた時に出会った少年、
戦災孤児で僅かな生活の糧を得るため、靴磨きをしている7歳の少年の態度に感動、
日本精神の原点を教えられたというエピソードです。

20200703_3.jpg

20200703_4.jpg

「今は廃墟のような状態でも、日本人が皆、このような気概と心情で生きていけば
この国は必ず逞しく立ち直るに違いない。」
と確信したとおり、その後の日本は過去に類のないほど
奇跡的な復興を遂げ、世界屈指の経済大国に成長した。
日本に来るたびにメディアを通して、その少年の消息を探したけど見つけることは出来なかったそうです。

昭和館から届いた多くの資料を見ながらイメージを起こして創ったんですが、
顔の表情、ポーズ、服装、帽子等、今もこれで良かったんだろうか? と迷っています。

昭和館の 巡回特別企画展「戦中・戦後のくらし 鳥取展」
令和2年10月24日4(土)から11月3日(火)まで(ただし10月26日は休館日) 鳥取博物館で開催予定です。

コウノトリが舞い降りた

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

特別天然記念物に指定されている コウノトリが近くの水田にいました。
それも三羽です。

20200622_1.jpg

朝、犬の散歩をされているおじいさんから聞き、急いで行ってみると、
確かによく見かけるサギより大きく、翼は黒く、赤い脚をしています。

20200622_2.jpg

20200622_3.jpg

たまに見かけたと聞いたことはあるけど・・・。
このコロナ過で気分がふさぐニュースばかりの中で、なんと嬉しい、さわやかな出来事!
暫らく、眼を凝らして眺めていたら、やがて三羽揃って飛び立っていきました。

20200622_4.jpg

自粛制限が緩和されたとはいえ、
コロナウィルス感染拡大は終息どころか世界で増え続けています。
様々な鳥のさえずりが聞こえ、ホタルが舞う自然豊かで
季節の移ろいを五感で感じることができるこの地域で、
平凡に暮らせていることの幸せに改めて、感謝した日でした。

今、取り組んでいる「靴磨きの少年」
終戦直後にGHQの通訳として来日し、
戦災孤児で生きる糧として靴磨きをしている一人の少年に、
日本精神の原点を教えられたことで、ハワイ州の知事になった
日系二世の ジョージ・アリヨシ さんの話に感動しながら、制作しています。

人形「千人針」が完成

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

昭和館から依頼された「千人針」が、ようやくできました。
昭和館は、戦中戦後の国民生活上の労苦を後世代に伝えることが目的の、
国立(厚労省所管)の施設で平成29年制作の「青空教室」が常設されています。

「千人針」は、出征する夫や息子の無事を願って、妻や母親らが街頭に立ち、
千人針を縫ってもらっている光景です。

20200523_1.jpg

20200523_2.jpg

20200523_3.jpg

20200523_4.jpg

昭和館から資料をたくさんメール送付して頂き、そこからイメージを膨らませて作りました。
日中戦争が始まった昭和12年~13年頃を時代背景に作ったんだけど、
衣装にも随分迷いました。
資料では洋装や着物姿のおしゃれな感じの絵や写真が多く、
戦時中だったら絣などのモンペ姿を思い浮かべるんだけど・・・。

資料を読み込んで分かったこと。
日中戦争が始まったばかりの頃は、多様なファッションを謳歌していた当時の女性にとって、
主に都会ではモンペは古臭くダサかったそうです。
戦時下の女性にふさわしかったのは、国防婦人会に象徴される、
和服に白いエプロン姿が社会の最前線に立ち、
一方で銀座では流行のファッションに身を包んだ女性たちが闊歩していたんだそうです。

防空演習などにも便利な戦時下にふさわしい「服装改善」委員会が設置され(市川房江さんも参加)
モンペの持つ機能性が再評価されたが、戦争景気による豊かさもあり、
女性の国民服としてのモンペはなかなか普及しなかったという。

画家の藤田嗣治もモンペを推奨し戦争が激しくなるにつれ、勤労奉仕、
女子挺身隊などの労働も過酷になっていった。
ファッションから見ても戦争が男女間、上流階層、下流階層の女性のあいだの
平準化を確実に進め、格差の是正につながったという。

なるほど! そういうことだったのかと納得・・・。

でも、着物、帯、帯揚げ,帯紐など、どの色柄、材質をチョイスするかで迷い、やり直し。
髪も始めは粘土で随分、時間をかけたけど木綿糸で又、やり直し・・・。
ほぼ95%完成直近と思いながら、気になり大手術をしてやり直す。

いつもそうだけど、時間の経過でやっとみえてくるものがある・・・。

今のコロナウィルスとは関係なく、制作中はずっと巣ごもり、引きこもり状態で
「鶴の恩返しのおつう」を重ね合わせて感じることがある。
そして、対象になりきって制作しているから、ちょっと街に出た時等には
浦島太郎になったような気になることもあります・・・(笑)

さて、次は「靴磨きの少年」です。

「千人針」を作っています

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

いつの間にか新緑の季節、桜はつつじにバトンタッチ、早くも隣家の白藤が咲いています。

20200426.jpg

例年のごとく季節は移ってきましたが、新型コロナウィルス感染拡大の終息は見通しがつきません。
小豆島「24の瞳映画村」も5月6日まで休園となりました。
l緊急事態宣言が出て、外出自粛、全国が自宅に巣ごもり状態という異常なこの頃ですが、
私は、以前から大事な用がない限り巣ごもり状態で作品制作に没頭していました。
そして、ブログ更新も忘れてしまうくらい・・・。

「鑑真和上」は、途中の段階だけど、ご依頼いただいた山形県酒田市のお寺さんに
写真メールを送り、一旦休止をお願いしました。

今は、昭和館(厚労省所管)ご依頼の「千人針」を制作中です。
昭和館巡回特別企画展「戦中、戦後のくらし」鳥取展が10月にあり、
「千人針」と「靴磨きの少年」を作ることになったのです。

昭和館は、戦中戦後のくらしを次世代に伝える国立の施設で、
2017年に制作した「青空教室」が6階に常設展示されています。
鑑真和上を制作中は写真を見ながら制作しているのだけど、特に顔は、1ミリ以下の微妙な世界です。

似てきたと思えば遠のき、近づいたと思えば遠のくの連続で、写真を見ているようで見えてない、
でも少しづつ見えてくる、微妙なところが・・・。
今見える所に、造りかけの鑑真和上像を置いているのですが・・・アァ どこか違う!
鑑真和上像にあるはずの慈悲の心と強靭な精神が全くできていない・・・・・。