FC2ブログ

人形作家 安部朱美 Blog ~ 風のささやき

人形作家 安部朱美のオフィシャルブログです。人形のこと、企画展のこと、そしてささやかな日々の出来事を気まぐれに綴っています。

Message

人形創りはいつの頃からか、自分の内面を探る作業ではないかと思うようになりました。 語り過ぎず、創り過ぎず、余白を作っておきたい。 観て下さる方、それぞれの想いを重ねてもらって人形が完成すると思うから。
          ―― 安部朱美

古代出雲歴史博物館に「女性三代機の音」展示

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

出雲大社の隣 古代出雲歴史博物館に「女性三代機の音」を展示に行って来ました。
7月10日(金)から9月6日(日)まで、企画展「大地に生きる~しまねの災と幸」
が開催されます。

20200707_1.jpg

島根の長い歴史の中で、三瓶山の噴火から始まり、地震、津波、水害等の災害、
開発、信仰、綿作をキーワードに、厳しさと優しさの両面を持つ自然に、
島根の大地に生きる人々がどのように向き合ってきたか、
その実像に迫る企画展で、
第4章ー木綿繁盛記のコーナーに「女性三代機の音」の人形をお貸しすることになりました。

20200707_2.jpg

山陰では上質のたたら製鉄ができて、その鉄穴流しによって大量の砂が流れ込み、
下流にできた水はけ良く、日当たりのよい砂地に江戸時代から綿が栽培され、
木綿が特産品となり、越後屋(三井)との商売が始まり繁盛した。
「女性三代機の音」を制作した時に、鉄穴流しによって弓浜半島に上質の綿作りが
盛んだったことは知っていたけど、
出雲だけでは綿が足りなくて、弓浜からも多く買い付けたそうだ。

20200707_3.jpg

20200707_4.jpg

人形を創ることによって、それまで全く興味もなく無知だった分野のことが少しでも分かり、
関心が持てるようになったことは嬉しいことで、
何よりも、こういう形で人形がお役にたてば、本望です。

スポンサーサイト



感動した ≪靴磨きの少年≫

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

≪靴磨きの少年≫が、やっと完成しました。

20200703_1.jpg

以前、昭和館に行ったとき、ジョージ・アリヨシのエピソードを局長さんからお聞きして、
創ってみたいと思っていた「靴磨きの少年」を、この度、正式にご依頼いただき取り組んでいました。
両親が日本人で日系アメリカ人として、アメリカ史上初のハワイ州知事となり、
最長の12年間の任期を務めた ジョージ・アリヨシ氏

20200703_2.jpg

アメリカ陸軍に入隊し第二次世界大戦後、占領軍の一員として日本でGHQの通訳をしていた時に出会った少年、
戦災孤児で僅かな生活の糧を得るため、靴磨きをしている7歳の少年の態度に感動、
日本精神の原点を教えられたというエピソードです。

20200703_3.jpg

20200703_4.jpg

「今は廃墟のような状態でも、日本人が皆、このような気概と心情で生きていけば
この国は必ず逞しく立ち直るに違いない。」
と確信したとおり、その後の日本は過去に類のないほど
奇跡的な復興を遂げ、世界屈指の経済大国に成長した。
日本に来るたびにメディアを通して、その少年の消息を探したけど見つけることは出来なかったそうです。

昭和館から届いた多くの資料を見ながらイメージを起こして創ったんですが、
顔の表情、ポーズ、服装、帽子等、今もこれで良かったんだろうか? と迷っています。

昭和館の 巡回特別企画展「戦中・戦後のくらし 鳥取展」
令和2年10月24日4(土)から11月3日(火)まで(ただし10月26日は休館日) 鳥取博物館で開催予定です。

コウノトリが舞い降りた

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

特別天然記念物に指定されている コウノトリが近くの水田にいました。
それも三羽です。

20200622_1.jpg

朝、犬の散歩をされているおじいさんから聞き、急いで行ってみると、
確かによく見かけるサギより大きく、翼は黒く、赤い脚をしています。

20200622_2.jpg

20200622_3.jpg

たまに見かけたと聞いたことはあるけど・・・。
このコロナ過で気分がふさぐニュースばかりの中で、なんと嬉しい、さわやかな出来事!
暫らく、眼を凝らして眺めていたら、やがて三羽揃って飛び立っていきました。

20200622_4.jpg

自粛制限が緩和されたとはいえ、
コロナウィルス感染拡大は終息どころか世界で増え続けています。
様々な鳥のさえずりが聞こえ、ホタルが舞う自然豊かで
季節の移ろいを五感で感じることができるこの地域で、
平凡に暮らせていることの幸せに改めて、感謝した日でした。

今、取り組んでいる「靴磨きの少年」
終戦直後にGHQの通訳として来日し、
戦災孤児で生きる糧として靴磨きをしている一人の少年に、
日本精神の原点を教えられたことで、ハワイ州の知事になった
日系二世の ジョージ・アリヨシ さんの話に感動しながら、制作しています。

小豆島映画村で人形搬出作業

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

小豆島の映画村に人形搬出作業に行ってきました。

展示をするときは、その会場によって どう展示するか悩み、迷い、
随分時間も日数もかかるんだけど、片付けは早いのです。

企画展「昭和を綴る物語~絆~」として、3月28日から5月31日まで展示の筈でしたが、
新型コロナウィルス感染拡大の影響で4月16日から休村となり、
19日間しか観て頂けなかったけど、
感想ノートにも嬉しいコメントがたくさん書いてあり、
「是非見に行きたい」とか「いつ、開けるのか?」とか
電話があったり、ホームページにコメントが寄せられたり、
反響が結構あったとお聴きして、それだけでも展示させて頂いたかいがあった。

映画村のスタッフの方々にも良くしていただき、本当にお世話になりました。

小豆島にはコロナウィルス感染は無いけど、観光の島です。
ホテルも例外なく休業中でしたが、映画村から手配して下さった、
この度の宿泊は個人経営で高台にあるホテルで、眺望が素晴らしく、
オリーブ公園が下にあり、湾の向こう、遠方に映画村も見える。
食事も美味しかった。

20200605_1.jpg

翌日、トラックに人形の箱を積み込む手伝いをしてくださった、映画村のスタッフの方たちと
最後に‟ギャラリー・クロゴ”の前で記念撮影、それまでしていたマスクを一瞬、取って・・・
皆さん 有難うございました。感謝です。

20200605_2.jpg

二十四の瞳映画村は、今月19日から再開ということです。
地球規模で各方面に甚大な被害をもたらしている、この新型コロナ禍が早く終息して、
映画村にも以前のような賑わいが戻りますように・・・
いつか「人形展の仕切り直しを」と言って下さった専務理事。

実現して、多くの人に観て頂けたら嬉しいです・・・。

人形「千人針」が完成

Posted by 安部朱美 on   0 comments   0 trackback

昭和館から依頼された「千人針」が、ようやくできました。
昭和館は、戦中戦後の国民生活上の労苦を後世代に伝えることが目的の、
国立(厚労省所管)の施設で平成29年制作の「青空教室」が常設されています。

「千人針」は、出征する夫や息子の無事を願って、妻や母親らが街頭に立ち、
千人針を縫ってもらっている光景です。

20200523_1.jpg

20200523_2.jpg

20200523_3.jpg

20200523_4.jpg

昭和館から資料をたくさんメール送付して頂き、そこからイメージを膨らませて作りました。
日中戦争が始まった昭和12年~13年頃を時代背景に作ったんだけど、
衣装にも随分迷いました。
資料では洋装や着物姿のおしゃれな感じの絵や写真が多く、
戦時中だったら絣などのモンペ姿を思い浮かべるんだけど・・・。

資料を読み込んで分かったこと。
日中戦争が始まったばかりの頃は、多様なファッションを謳歌していた当時の女性にとって、
主に都会ではモンペは古臭くダサかったそうです。
戦時下の女性にふさわしかったのは、国防婦人会に象徴される、
和服に白いエプロン姿が社会の最前線に立ち、
一方で銀座では流行のファッションに身を包んだ女性たちが闊歩していたんだそうです。

防空演習などにも便利な戦時下にふさわしい「服装改善」委員会が設置され(市川房江さんも参加)
モンペの持つ機能性が再評価されたが、戦争景気による豊かさもあり、
女性の国民服としてのモンペはなかなか普及しなかったという。

画家の藤田嗣治もモンペを推奨し戦争が激しくなるにつれ、勤労奉仕、
女子挺身隊などの労働も過酷になっていった。
ファッションから見ても戦争が男女間、上流階層、下流階層の女性のあいだの
平準化を確実に進め、格差の是正につながったという。

なるほど! そういうことだったのかと納得・・・。

でも、着物、帯、帯揚げ,帯紐など、どの色柄、材質をチョイスするかで迷い、やり直し。
髪も始めは粘土で随分、時間をかけたけど木綿糸で又、やり直し・・・。
ほぼ95%完成直近と思いながら、気になり大手術をしてやり直す。

いつもそうだけど、時間の経過でやっとみえてくるものがある・・・。

今のコロナウィルスとは関係なく、制作中はずっと巣ごもり、引きこもり状態で
「鶴の恩返しのおつう」を重ね合わせて感じることがある。
そして、対象になりきって制作しているから、ちょっと街に出た時等には
浦島太郎になったような気になることもあります・・・(笑)

さて、次は「靴磨きの少年」です。